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株式会社 蒜山地質年代学研究所

地質技術 No. 4

斜面崩壊の素因を探る

 我が国の国土は,その7 割が山地で占められ,斜面崩壊が発生しやすい地形・地質的素因を有しています.また, 地震や火山活動が多い上,気候変動に伴う集中豪雨の発生頻度の増大もあり,崩壊発生の誘因も多いと言えます. このため,砂防施設の設置やハザードマップの整備など,ハード・ソフト一体となった土砂災害対策が国によって 推進されています.このような対策を進めるに当たって,斜面崩壊に対する精度の高い発生予測が可能となれば, 減災に大きく寄与することができると期待されます.最近整備が進んでいる気象レーダー網は,崩壊の誘因である 降水の短期的予報に非常に有効です.一方,減災に向けた中・長期的な視点からの検討・対策も重要と考えられま す.それには,崩壊予備物質の地質学的性状(素因)を明らかにし,また,精確な崩壊発生年代を求めることが役 立つと考えられます.このような素因の究明は,地質に携わる技術者・研究者が大いに貢献できる分野でもありま す.研究報告誌「地質技術」第4 号では,「斜面崩壊の素因を探る」をテーマとして掲げ,斜面崩壊を対象とした 2 編の記載論文と,年代測定手法に関する1 編の論文を掲載しました.
 折しも今年8 月には広島県を中心とした豪雨(平成26 年8 月豪雨)に伴う土砂災害が発生し,多くの方々が被 災されました.当該地域は風化した花崗岩(マサ)を主体とする地質からなり,その性状を明らかにする上で,本 特集号に掲載された研究が役立つ可能性があります.亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に,本特集号が 減災に向けた研究の発展につながることを期待します.

【事例紹介】表層崩壊地における「表土層」の樹脂固定標本


表層崩壊地における「表土層」の現地調査および樹脂固定標本による地質記載と解析


ルミネッセンス法による斜面崩壊の年代推定


平成23 年台風12 号による崩壊発生から3 年後の深層崩壊地


【データベース】西南日本に産する高圧変成岩類の K-Ar 年代値データベース


 上記の研究論文に加えて,本号の口絵には,井上・藤原・香本論文で扱った「表層崩壊地における「表土層」の 樹脂固定標本」を掲載しました.また,巻末には「岩石図鑑」の第4 弾として「閃緑岩」(中部地方の新生代深成岩体) を取り上げ,その岩相の特徴と偏光顕微鏡写真をまとめました.更に地質データベースの新たな試みとして,「西 南日本に産する高圧変成岩類のK-Ar 年代値データベース」(辻森・八木)を公開しておりますので,関連分野の研究 者の方々に活用していただければ幸いです.

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研究報告誌「地質技術」は、地質学に携わる研究者および技術者の方々からの投稿を受け付けております。
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