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株式会社 蒜山地質年代学研究所

地質技術 No. 9

日本海拡大終了時期のトピックス

 日本列島の形成史を語る上で,中新世中期にクライマックスを迎えたとされる「日本海の拡大」はビッグイベントの一つであり,高等学校の地学の教科書でも「日本列島の成り立ち」において触れられています.1980 年代に古地磁気学と年代学を用いた研究により具体的な日本海拡大モデルが提示されて以降(それに関わるレビューは本誌第7号をご参照ください),日本海拡大時のテクトニクスや古環境などに関して,地球科学の様々な分野において精力的に研究が推し進められてきました.現在も多くの研究者の興味を引く研究課題の一つであり,今年の日本地質学会第126 年学術大会においても日本海拡大に関連したセッションが設けられています.
 そこで今回は,日本海拡大のうちその終了時期に関するトピックスを特集テーマとし,2 編の研究論文を掲載しました.1 編は弊社のある岡山県の中新世海成層を対象とした微化石を用いた古環境推定に関する予察的研究であります.もう1 編は,日本海拡大の終了時期の推定に重要な地磁気極性編年の方法とその課題に関するレビュー論文です.
 この他にも,テクトニクスを研究する上で有用なひずみ解析の解説を扱った技術報告1 編,また,特別寄稿として地質コンサルタント業界における人材育成の課題に関する読み物1 編を掲載しました.

【地質データベース】[露頭紹介]岡山県の中新世海成層-道の駅「かよう」とグリーンヒルズ津山-


【研究論文】岡山県津山地域の中新統勝田層群から産出した貝形虫化石(予報)


【研究論文】日本海拡大終了時期15Ma 近傍の地磁気極性編年


【技術報告】有限ひずみ関連式とせん断ひずみの概要把握法の図解例


【読み物】地質離れが進む建設コンサルタント業界の課題


【地質データベース】[文化と地質]美作市湯郷の「かさね岩」


 上記に加え,巻頭カラーページには特集テーマに関連した地質データベースとして,[露頭紹介]岡山県の中新世海成層 ―道の駅「かよう」とグリーンヒルズ津山―(曽根原・郷津・八木)を掲載しました.また,巻末には新たなシリーズとして[文化と地質]を設け,その第一弾として美作市湯郷の「かさね岩」(藤原・曽根原・後藤)を紹介しました.
 以上のように,「地質技術」第9 号は古生物学,古地磁気学,構造地質学,そして応用地質学という多分野に渡る原稿を掲載しております.このため編集作業に当たっては,編集委員会以外の専門家の方々にも協力を仰ぎました.査読者の方々には,大変お忙しい中,急なお願いにもかかわらずご快諾いただきましたことを,改めて心よりお礼申し上げます.
最後に,地質学に関わる多くの皆様にとって本研究報告誌が有益な情報を提供するものとなれば幸いです.

 △クリックするとPDFファイルを表示できます

   

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