日本列島に記録されるMMCO

乙藤 洋一郎

 表題の“MMCO”は“Middle Miocene Climatic Optimum”の略称で,中期中新世にあった全世界規模の温暖期(16.9―14.7Ma)のことを指します.この現象は1960年代に発見され,その後盛んに定量的な研究が行われており,地球温暖化現象の研究とも関連して,今後もますます議論が進んでいくものと予想されます.著者はこのホットな話題について研究の経緯や最近の研究内容(温度・海水準の推定)を分かりやすくレヴューしています.更に,日本列島の中新統で確認されるMMCOについて情報を整理し,推定されているMMCOの海水準を制約条件として,中新統の現在の分布標高を基に吉備高原の隆起量(最小見積もり)について検討しています.

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