若い火山岩の高確度年代測定―K-Ar感度法―

柳 善榮・渡辺 梓・兵藤博信・板谷徹丸

 歴史溶岩などの若い火山岩のK-Ar 年代測定においては,質量分別作用によるアルゴン同位体比の変化が年代値に大きな影響を与えます.同位体比を仮定し,それを用いて計算する放射性40Ar の量は,若い試料ではごく微量であるためです.
通常K-Ar 年代測定におけるアルゴンの分析は「同位体希釈法」によって行われますが,質量分別作用の影響を受けるような若い火山岩に対しては「感度法」を用いる必要があります.筆者らは若い火山岩に対する年代測定の確度を向上させるために,質量分別作用に対して2 分子拡散モデルを用いた質量分別式を導き出し,さらに,それをK-Ar 年代算出式に導入することを提案しています.

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