測定手法について


主な測定目的


測定対象物

  • 岩種:火山岩,深成岩,変成岩,変質岩,断層岩
  • 鉱物:長石類,角閃石類,雲母類,輝石類,石基,雲母粘土鉱物

原 理

  • 放射性同位元素40Kが40Arに壊変する時の量比の時間変化を利用します(下図参照).
  • 現在の岩石や鉱物中に含まれる40Kと40Arの量を別々に測定し,年代を算出します.
  • 試料中の全K含有量は,炎光分光分析法により求めています.
  • 試料中の40Ar及び36Arの量は,既知量の38Arをスパイクとする同位体希釈法により,質量分析計を用いて求めます.
  • K-Ar法
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特 徴

  • 地球創成期から約10万年前の若い年代の試料まで,幅広い年代の地質試料を対象とします.
  • Kは天然に存在する鉱物中に普遍的に含まれるため,多くの鉱物に適用できます.

測定のための注意点

  • 風化や変質,二次的な加熱を受けたり,脱ガスが不十分な試料は,年代値の確度に悪影響を与える可能性があります.
  • 正確な年代を得るためには,鏡下観察により年代測定の対象となる鉱物及び試料の状態(新鮮さや均質さなど)を確認する必要があります.
  • 分析に必要な岩石量は,測定対象物の含有量によりますが,約500gです.
  • 分析に必要な試料量は,年代が若く,またK含有量が低くなるほど多くなります. ※第四紀試料の石基や低K鉱物(斜長石,角閃石)は分離後に最低でも1.5g必要です.
  • 年代の誤差は一般的に2%未満ですが,年代が若く,またK含有量が低くなるほど大きくなります.


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