島根大学汽水域研究センターでの活動報告およびCNS 元素分析の原理と応用

後藤 隆嗣

 
 平成26 年11 月1 日~平成27 年3 月31 日の期間,筆者は蒜山地質年代学研究所から島根大学汽水域研究センターへ出向し,有期雇用研究員として勤務した.汽水域研究センターでは宍道湖・中海の水質調査,底生生物の染色を行うローズベンガル処理,軟X 線写真の撮影,CNS 元素分析など様々な作業を行う機会が得られたが,その中で「CNS元素分析」に多くの時間を費やした.CNS 元素分析は試料中の有機元素を定量する分析手法で,堆積環境の推定などに非常に有用である.その原理は非常にシンプルで,きちんとした測定手順を踏めばデータとしての信頼性も高い.また,島根大学汽水域研究センターが所有するCNS 元素分析装置は1 ターンに最大100 試料もの測定が可能である.このため需要さえあれば,新たな業務として展開できる可能性がある.そこで今回,汽水域研究センターで学んだCNS 元素分析の原理と作業手順を本稿に解説し,実際の利用例の提示と当社既存の分析項目を併用させた新業務の展望について紹介する.

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