考古地磁気学から推定した熊山遺跡の造立年代

乙藤 洋一郎

 考古地磁気学(archaeomagnetism)とは,現代から約1万年前までの期間を扱った古地磁気学で,年代を推定できる窯跡や焼け土を対象として,地磁気の方向や強さを求める学問です.本論文では,考古地磁気学によりこれまでに提案された日本の地磁気永年変化モデル(西暦0~2000年)を用いて,岡山県赤磐市にある備前国分寺について続日本紀により制約される建立年代を検証した上で,歴史学や考古学の情報を加味して,主題である熊山遺跡(石積遺構)の造立年代について議論しています.また,考古地磁気学に係わる研究史や日本の地磁気永年変化モデルについてもレヴューがなされており,考古地磁気学について興味を持たれた方にとって役立つ内容となっています.

△クリックするとPDFファイルを表示できます