地質技術No. 14
新島のコーガ石
竹下 浩征・佐伯 佳美・宿輪 隆太
新島(東京都新島村)は伊豆諸島の島の一つであり,東京から南に約160 kmの海上に位置します.流紋岩質マグマと玄武岩質マグマからなるバイモーダルな火山活動により形成された地質学的に新しい火山島(常時観測火山の一つ)です.平安時代に流紋岩質マグマの噴火活動があり,大量の火山砕屑堆積物の他に溶岩円頂丘が形成されましたが,実はこの流紋岩溶岩には世界的にも珍しい特徴があります.それは非常に多孔質で降下軽石のように水に浮くというものです.加工しやすいことから石材として利用されてきましたが,耐火性に優れていることから「抗火石(コーガ石)」と呼ばれています.この口絵では,2023年に実施された新島ジオツアー(NPO法人地球年代学ネットワーク)で撮影 した写真を使って,新島のコーガ石を紹介しています.
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