地質技術No. 15-2
火山岩中の斑晶鉱物を用いてマグマの発生から噴火に至る過程を知る
岡田 郁生

本稿は、火山岩中の斑晶鉱物、特に角閃石の化学組成を分析することで、マグマの発生から噴火に至るまでの失われた情報を解明する地球化学的研究の概要を説明しています。著者は、火山岩全体の化学組成ではマグマの過去の情報が上書きされてしまうため、斑晶がマグマの履歴を保持する「タイムカプセル」として機能すると述べています。この手法を由布岳の火山岩に適用することで、異なる温度と深度に存在していた苦鉄質マグマと珪長質マグマの混合によって噴火が発生したというマグマ供給系のモデルが提示されています。この研究は、角閃石の化学組成が火山活動の根源的な理解を深めるための強力なトレーサーとなることを示しており、他の火山への応用可能性も強調されています。















